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襷がけの二人

第170回直木賞候補! 激動の戦前戦後を生きた女性たちの大河小説

裕福な家に嫁いだ千代と、その家の女中頭の初衣。

「家」から、そして「普通」から逸れてもそれぞれの道を行く。

「千代。お前、山田の茂一郎君のとこへ行くんでいいね」

親が定めた縁談で、製缶工場を営む山田家に嫁ぐことになった十九歳の千代。

実家よりも裕福な山田家には女中が二人おり、若奥様という立場に。

夫とはいまひとつ上手く関係を築けない千代だったが、

元芸者の女中頭、初衣との間には、仲間のような師弟のような絆が芽生える。

やがて戦火によって離れ離れになった二人だったが、

不思議な縁で、ふたたび巡りあうことに……

幸田文、有吉佐和子の流れを汲む、女の生き方を描いた感動作!

第170回直木賞候補にノミネート。

-audibleの説明より

面白かった。

結構長い話で、すごい大事件かあるわけでもないのだが

文章がうまいのか、語りがハマっているのか

わりと一気に聞いてしまった。

途中、女性器にまつわる話が延々と続くので

ちょっとびっくりしたが、

時代的にそういうことが相談できなくて

困ったりはあったのかもなぁ

などと思ったり。

「死ぬがよく候」「小隊」「八月の御所グラウンド」

ちょっと久しぶりにAudibleで何本か聞いた。

「死ぬがよく候」

時は天保八年、処は京――。とある由縁で、江戸を出奔、許しを請う旅に出ていた南町奉行所の元隠密廻り同心・伊坂八郎兵衛は、命尽きかけていた。江戸の町で暴れる悪党を震え上がらせた「南町の虎」も、さすがに空きっ腹のうえ、吹きすさぶ如月の風雪には耐えられず、ついに朽ちかけた寺で草鞋を脱いだ。寒々とした伽藍に通され、冷たい粗菜を食わせてもらった八郎兵衛だったが、胡散臭い住職に恩を盾にされ、金箔がほどこされた観音菩薩を奪い返す役を請け負う羽目になってしまう。どうやら昨晩、一条戻橋あたりを隠れ家にしている曲者どもに盗まれたらしい。やむなく前金一両を受け取り、行くか行かぬか迷うまま島原の廓へ繰り出し、小見世の暖簾を潜った八郎兵衛は息をのんだ。なんと、屏風の隙間から現れた端女郎の葛葉は、別れも告げずに捨ててきた許嫁と瓜二つだったのだ。一夜の情を交わした葛葉を後に、身なりにそぐわぬ銘刀「堀川国広」を帯に差した八郎兵衛は、下っ端たちを苦もなく京の闇に葬り、首魁を追って芹生峠へと向かったが……。立身流の秘剣が、中山道でゴロツキを撫で斬り、北国街道でチンピラを一刀両断する! 剣豪放浪小説、シリーズ第一弾。

audibleより

アンチヒーロー的な主人公で、なかなか面白かった。

「小隊」

ロシア軍が北海道に侵攻。元自衛官の芥川賞作家による衝撃作 ロシア軍が北海道に上陸。 自衛隊の3尉・安達は敵を迎え撃つべく小隊を率いて任務につく。 避難を拒む住民、届かない敵の情報、淡々と命令をこなす日々――。 そんな安達の〝戦場〟は姿を現したロシア軍によって地獄と化す。 軍事描写のあまりのリアルさに話題となり、 専門家をも唸らせた『小隊』に デビュー作『戦場のレビヤタン』を合本して文庫化。 「ブラックボックス」で第166回芥川賞を受賞、 元自衛官という異色の経歴をもつ作家が放つ、 衝撃の戦争小説3篇。

■著者コメント 『小隊』を書いている時、私はある言葉だけは 絶対に使わないようにしようと決めていました。 その言葉は、それ自体が持つ重みに反して、 使えば使うほどに失われてしまう何かがある気がするのです。 その何かを、お読みいただくみなさまに感じていただければ幸いです。 ――砂川文次

■推薦コメント 「戦場」とはこうしたものか ――小泉悠(東京大学専任講師)

audibleより

元自衛官の作者だけに開戦前の自衛隊描写が細かくて面白い。

戦闘シーンはリアルなのかどうかよく分からない。

書かれたのがウクライナ戦争前なので

今だとだいぶ違ってくるだろうなぁと思う。

「八月の御所グラウンド」

「鴨川ホルモー」の作者、万城目学の新作。直木賞受賞。

独特の文体とリアルの日常にいきなりファンタジーが入ってくる感じが面白かった。

京都が舞台だからオッケーというのはかなりある。

成瀬は信じた道をいく

「成瀬」シリーズの第二弾。

Audibleで聴了。

作者の宮島未奈はこの成瀬シリーズがデビュー作らしい。

前作、「成瀬は天下を取りにいく 」も面白かったので、

配信と同時に聞いた。

主人公の「成瀬」は、ものすごく頭が良くてちょっとエキセントリックな女の子。

彼女の行動や言動に巻き込まれた周囲の人が楽しくなっていくというような話。

短くて軽快で、楽しいシリーズなので、このまま良い感じに続いて欲しい。

Spring

恩田陸のバレエ小説。結構話題になっていたっぽい。

ダンサーではなく振付家が主人公というのがユニーク。

バレエ物によくある、スポ根漫画やガラスの仮面的な要素はまったくなく、

天賦の才能に恵まれた少年が、教養と経済力、かつ理解もある大人達に囲まれて、すくすくと才能を開花させて海外で世界的な振付家・ダンサーとして活躍するというお話。

とても面白かった。

偶然だが、木挽町の仇討ちと同じく章ごとに一人語りの構成。

ただ、ある章の語り手が、どうも作者の分身ぽく、

作者のバレエ論みたいなのが割とストレートに出てる感じがして

ちょっと気まずかった。

今回はKindleで買って、iPhoneの画面読み上げで聞いた。

機械の、良い意味で棒読みな感じも結構好きである。

木挽町の仇討ち

Audibleで聴了。

面白かった!

予備知識無しで聞き始めたが、

仇討ちの重い雰囲気が徐々に薄れていって

最後は、ドラマになりそうな痛快時代劇といった

雰囲気で楽しめた。

ナレーターが大勢居るのでラジオドラマみたいになっているのかと

思いきや、章ごとに一人語りになっているので、やっぱり朗読だった。

落花狼藉

audibleで聴了。

花仍は吉原にある西田屋の女将。主の甚右衛門に拾われた花仍は、店の娘分として育ったのち、甚右衛門の妻になった。十三年越しの願いが叶い、甚右衛門はお上に傾城町を作る許しを得たが、築かれたのは果たして「女の城」だったのか? 江戸幕府公認の遊郭・吉原の黎明を描いた傑作長編小説。

audibleの説明

朝星夜星と同じ朝井まかて作、吉原の街を作った男の女房の話。

面白かった。

この作家さんはデキる男の妻が好きらしい。

今作の主人公は自らも遊郭の女将として現場を切り盛りするので

朝星夜星よりもプロジェクトX感がある。

さっぱりとした歯切れのよい文体はここでも変わらない。

遊郭の悲劇は悲劇として描きながら

現代的な倫理観を持ち込まないところがとても良かった

朝星夜星(あさぼし よぼし)

audibleで聴了。

幕末から維新、明治と激動の時代の外交を料理で支えた男がいた――長崎生まれの料理人・草野丈吉で、店の名は「自由亭」。

本書は、日本初の洋食屋を長崎で開き、大阪に進出してレストラン&ホテルを開業、近代大阪の発展に貢献した丈吉を、妻ゆきの視点から描いた歴史小説。

貧しい農家に生まれた丈吉は、18歳で出島の仲買人に雇われ、ボーイ、洗濯係、コック見習いになる。

そして21歳のときにオランダ総領事の専属料理人になり、3年後に結婚。夫婦で日本初の西洋料理店をオープンさせた。店には、陸奥宗光、五代友厚、後藤象二郎、岩崎弥太郎といった綺羅星のごとき男たちがやって来る。

明治の世になり、大阪へ移った丈吉は、重要な式典で饗応料理を提供するまでになるのだが……。

夫婦で困難を乗り越え、夢をつかみ取る姿を活き活きと描いた傑作長編。

audibleより

面白かった

一人称語りではないが、終始おかみさんの視点で描かれるので日記のよう。

1文が短くてハギレがよく、長崎弁と大阪弁が混ざり合う文章が心地よかった

序盤は奥さんも現場で働いているのだが

商売が大きくなるにつれて家に入る。

なので、プロジェクトX的な成功譚や

維新の志士たちの武勇伝よりも

女将さんVSお妾サン達のやりとりの方が詳しかったりする。

おかげで幕末・明治の血なまぐさい話があまり好きでない自分にも楽しめた。

朝井まかてという作家さんは初めて。

検索で作者インタビューが見つかった。

おかみさんの記録はほとんどなく

写真から人物像を作りだしたというから

やはり作家というのはすごいというか恐ろしいものである。

プロジェクト・ヘイル・メアリー

Audibleで聴了。

映画にもなった「火星の人」の作者、アンディー・ウイアーの作品。

めちゃくちゃ面白かった。

上下巻でかなりの長編だがあっという間に聞いてしまった。

おおーっという展開の連続だったので

事前情報なしに聴いて正解だった。

「火星の人」で好きだった

全員が問題解決に前向きで

盛り上げ要因としての悪役か居ないという点は変わらず。

他の作品もオーディオブック化して欲しいなぁ

「夏への扉」を読んだときもそうだが、

最近SF作品を読むと

「そこはChatGPT使えば?」と

思ってしまうことが増えて困る。

SFでのAIは教えたことしかできない、融通が利かない、気が利かない、無愛想というのがお決まりのスタイルになっているのだが、

chatGPTは未知の問題にも対処できるし、複数のやり方を提案したり、相手に合わせて対応を変えたりできる。なにより愛想がいい。

「夏への扉」のような古典はもちろん、

今作のような、ほんの数年前の作品でも

AIの描き方に違和感をもってしまうのだから

つくづくChatGTPはSFを超えちゃってるなぁと思う。

夏への扉(新版)

Audibleで聴了。

ついにハインラインを一冊最後まで読んだ(聞いた)。

ハインラインくらい読んでおかないと、と思って

今までにも何度か買ったことがあるのだが

ことごとく挫折。

凄い人なんだろうけど

どうもテイストが合わない

今回Audibleのおかげで一冊クリアできた。

「火垂るの墓」「戦争童話集」野坂昭如

7月8月のNHKラジオ「朗読の時間」は野坂昭如の戦争作品を特集していた。

野坂昭如はまったく読んだことがなかった。

映画「火垂るの墓」の原作者であることは知っていたが映画の方も見ていない。

朗読が始まってすぐに聞き入ってしまった。

火垂るの墓では、兄妹が空襲で戦災孤児となってから亡くなるまでの過程が克明に描かれる。昔、図書館で読んだ庶民の戦争手記のような雰囲気の作品だった。

ただ悲惨すぎてリアルタイムで聞く分には耐えられるが、録音を後から聞くのはしんどく、結局全六回を歯抜けに聞いたきりである。

「戦争童話集」も悲劇ばかりなのだが、ちゃんと童話になっている。ふわっとした文章ならではの怖さがある。

今更ながら、ワイドショー的なイメージしか無かった野坂昭如という人が凄い作家だったと知る。

松尾貴史と宮沢エマの抑揚を抑えた読みも素晴らしかった。

以下、放送作品メモ

「火垂るの墓」
大ヒットアニメ「火垂るの墓」の原作を朗読する。太平洋戦争末期、兵庫県神戸市・西宮市近郊を舞台に、戦火の下で親を亡くした14歳の兄と4歳の妹が終戦前後の混乱の中を必死に生きようとするが、その思いも叶わず栄養失調で悲劇的な死を迎える。愛情と無情が交錯する中、蛍のように儚(はかな)く消えた2つの命の悲しみと鎮魂を描く。1967年直木賞受賞作。

●戦争童話集
「凧になったお母さん」
焼夷(い)弾の炎で水分を奪われた母親が、自らの唾や汗や乳、血液までも幼いわが子に塗り付け、命を救おうとするが。

「小さい潜水艦に恋をしたでかすぎるクジラの話」
日本軍の潜水艦に片思いするクジラが、己を犠牲にしてまで乗組員を救った話。

「青いオウムと痩せた男の子の話」
父は戦死し母も死に、男の子は、父が残していった青いオウムと防空壕(ごう)で過ごした。

「干からびた象と象使いの話」
戦況悪化で、餌を絶たれ餓死寸前の象を象使いは哀れに思い、動物園から逃がす。

「赤とんぼと、あぶら虫」
「赤とんぼ」と呼ばれる旧型機で特攻を命令される兵士が最後に想(おも)いを託したもの。

「年老いた雌狼(おおかみ)と女の子の話」
年老いた雌狼(おおかみ)は、家族と離ればなれとなって衰弱する女の子の命を助けようとする。

「ソルジャーズ・ファミリー」
離島にとり残された兵士が『冒険ダン吉』と出会い、空飛ぶ潜水艦『富士』を夢見る。

「ぼくの防空壕(ごう)」
防空壕(ごう)の中、少年は戦死したはずの父と出会い、出来なかった父子の会話をする。

「八月の風船」
風船は子供の時の楽しい思い出。だが、勤労学生達が作るのは、風船爆弾だった。

「馬と兵士」
空襲で怪我をした馬を助けようとした若い兵士は脱走兵となり、馬との運命を選ぶ。

「捕虜と女の子」
アメリカ人の脱走捕虜と出会った女の子。兄妹のように仲良くなった二人の道行き。

「焼跡の、お菓子の木」
焼け跡に残る甘い匂いのする木。それはお菓子の木だったが、大人は誰も知らない。

NHKのサイトより引用・編集

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